正直言うと、表紙のインパクトで買ってしまった本。だってワニにゲンコツですよ?
おまけに帯には「究極のサバイバル術」とか書いてあるもんだから、サバイバルに興味がない人でも何が書いてあるんだろう?くらいは気になるじゃないですか。
読みました。そして気づきました。
サバイバルすら笑いのネタになるんだなーって。
そもそも誰が書いてるのか?
さて、この本は
- ジョシュア・ペイビン
- デビッド・ボーゲニクト
の共同著書です。
究極のサバイバル術って言うくらいだから、きっと過酷な人生を送ってきた人たちなんだろうって思うじゃないですか?
ウィキペディアで二人のことを検索したら、まさかのヒットなし!
誰やねんこいつら!
急いで本を開いて確認。
ジョシュア・ペイビン
ナイフを振り回す悪漢に、バイクで追い回されたり(無事に逃げ切った)、荒れ狂う猛吹雪のなかスキーリフトに取り残されたり(無事に救出された)、腎臓結石になったりした(無事に摘出した)。
デビッド・ボーゲニクト
これまでに、ガラガラヘビ、クマ、ピューマに遭遇して逃げ切っている(遠くから目撃しただけかも)。さらに、路上強盗、詐欺師、十代の我が子からも逃げ切った経験がある。
ジョシュア・ペイビン/デビッド・ボーゲニクト 『もしもワニに襲われたら』 文響社(2023年) p333
とりあえず、かなりのクレイジー野郎であるってことだけはよく分かりました。
逆にこれほどの大物がなぜウィキペディアに載っていないのか?大いなる謎。
究極のサバイバル術とは?
もちろんちゃんと一読しましたよ。
最悪の”もしも”の事態を切り抜ける超実践的71の方法!が書かれていました…たぶん。
以下、内容の一例です。
- もしも雪崩に襲われたら
- もしもクマに遭遇したら
- もしも密室に閉じ込められたら
こういう王道のサバイバル術も一応載ってるんですけど、これらは軽く読み流しましょう。
なぜなら、この本の趣旨は「究極のサバイバル術」を身につけること。そう、究極の。
現代社会じゃこんなのありえんやろ!絶対ふざけてる!
こういったサバイバル術を学ばなければ、この本を買った意味がありません。
そして読み進めていくうちにこう気づくはずです。
これは本当にサバイバル術の本なのか?
確実に言えるのは、ふざけてる内容の方がこの本の真髄、いわゆる究極のサバイバル術だということ。
そして、ツラいときこそこの本を読んで笑い転げよう!
その中でもこれはウケる!ってサバイバル術が5つあったので紹介しときます。
本を購入する際の目安にどうぞ。あ、ネタバレ含むです。
もしもスマートホームが家を乗っとろうとしてきたら
インターネットに接続された便利機能満載の家(スマートホーム)が、家や自分を乗っとろうとしてきた場合の対処法について。
- 最終的にはスマートホーム自体が家主になるために自我が生まれて…?
- 人間の家主を追い出すために嫌がらせ(ポルターガイスト現象)を起こし…?
- 子どもの宿題まで勝手にやりだす…?
「なに言ってんの?マジカオスやん」的なことが書かれてます。
解決策がいくつか書かれてるんですが、最終手段は1階の窓から外へ出る!という凡人の僕でも十分対応可能なサバイバル術でした。
もしも剣で戦わなきゃならなくなったら
エクスカリバーですか???
じゃなくて実際にツッコむべきところは「コレ日本でやったら現行犯逮捕やろ…。」ってところでしょう!
そもそも、なぜ「剣」なのか?
このツッコミどころ満載な感じが逆にキモチイイです。
いろいろディスってますが、この項目はなぜか図解でしっかり丁寧に解説されてます。
なので、これから勇者に転職したいと考えている猛者は必読です。
知らんけど。
もしも海賊に襲われたら
【答】準備を整えてから反撃する
で、そのあとの対処法は、
- 海賊船に照明弾を撃ちこむ
- 空き瓶を割って破片を海賊船にばらまく
- 火炎瓶を海賊船に放り込む
という、やる側もやられる側も賊になる。これぞまさに究極のサバイバル術!
海賊王におれはなる。
もしも怪しげなピエロを見かけたら
まずはピエロの真意を探ることが重要。
- ピエロの横にお金の入った小型のスーツケースが置いてある
- おもしろい小道具やプレゼントを持っている
- 白昼堂々と外を歩いている
- 野球のバット、肉切り包丁、斧など、笑えない武器を持っている
- 目が不気味すぎる
- 衣装に血がついている
そもそも、これってわざわざ文章にするほどのことなのか?
もしも飛行中に緊急事態が生じたら
ここで大事なのは「何をもって緊急事態とするか?」です。
大声で駄々をこねる子どもに遭遇した場合
1.移動する。
空いている席を探し、客室乗務員に移動していいかを確認する。ただし、タマネギ入りのサンドイッチを食べている人のとなりになる可能性あり。
2.ヘッドホンを使う。
ノイズキャンセル機能がついているものを買う。できれば耳全体を覆うものが望ましい。
3.耳栓を自作する。
ヘッドホンがない場合は2~4個ほどのガムを噛んで、柔らかくなったらそれを2つにちぎり耳に突っ込む。
4.アルコールに頼る。
強めのカクテルでも飲んで気絶しとく。
”めちゃくちゃ座席を倒すマン”に遭遇した場合
1.優しくアピールする。
肩をポンポンとたたき丁重にお願いする。
2.赤ちゃんを借りる。
膝の上に赤ちゃんを乗せてもう1回優しくアピールする。ただし、赤ちゃんは親にちゃんと返却すること。
3.こっそり座席を戻す。
”めちゃくちゃ座席を倒すマン”がトイレで席をはずした隙に前列へ忍び込んでほんの少し戻す。完全にもとに戻すとバレる可能性大。
てか、めちゃくちゃ座席倒すマンは飛行機より電車によくいるよね。
※本を訳された梅澤乃奈さんの文章表現(ユーモア)はどれもスバラシイ!
結局、人生はなんでもネタになる
本書は基本的に原書に即した内容を掲載しております。
ジョシュア・ペイビン/デビッド・ボーゲニクト 『もしもワニに襲われたら』 文響社(2023年) p16
紹介している対処法は、あまたある方法の一例に過ぎません。
また、あくまで人命救助のためのものであり、犯罪に利するためのものでもありません。
本書に掲載された情報を使用することによって起こったいかなる結果についても、著者、訳者、ならびに出版社は、一切責任を負いかねます。
ぶっちゃけ本の内容というよりも、世界にはふざけたことを書籍化する人もいるんだなと。
人生ってなんでもネタになるんだな~ってのが今日の気づきです。
世の中いつなにが起きるか分からないクレイジーな時代。
だからこそ究極のサバイバル術(?)を学んでおくのも大事なのかもしれない。
いつどこで海賊に襲われるか分からない。いつどこでめちゃくちゃ座席を倒すマンと遭遇するか分からない。
だろ?
そゆこと!
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